... 唯の言葉はやがて唯一の言葉となる ...

2003/04/17〜2003/11/08 までの気まぐれ詩in雑記


あたしの場合 2003/11/08

あたしの場合
中身なんて要らないんです
大事なモノは全部
予備の瓶に詰め込んで何処かに隠すの
いつも此処にある瓶は空のまま
一粒づつビーズを囓っていく
あたしの場合
何も言わないで欲しいんです
あなたの言葉はわかっているから
あたしの答えより先に
あなたの問いが見えるんです
いつも痛い事ばかりね
よく分かってるよ
あたしの場合
空を見上げるのが好きなんです
特に夜には月があって
昼は人目気にして
味気ないコンクリの床
そんな感じです
あたしの場合


Cry,For the MooN. Cry? For the Blue MooN  2003/09/30

あの月、を下さい。
とあたしは言って泣いた。
あの青い月、が欲しいのと
あなたの服掴んで泣いた。
本当、は
月、なんか要らなかったのです。
あなた、が
月をあげる。
って、そんな子供、をあやす嘘、が
欲しくて。
それは無理、だよ。
って、確かな現実、を突きつけて
欲しくて。
あの月、を下さい。
とあたしは言って泣いた。
あなたのその両腕、で
夜空の星、ごと砂のように
かき集めて、硝子、の砂時計に詰めて。
あなた、が
月も星もあげる。
って、夢、を真剣に言う姿、が
見たくて。
そんなの簡単だよ。
って、子供、をあやす嘘、が
欲しくて。
あの月、を下さい。
あなた、との永遠を下さい。
空、に向かって、叫んでも
無駄な、事と
知ってはいるけれど。


Do you remember the place into which we threw ourselves? 2003/09/27

We return to stellar sand.《改題》

貴方は何処へ行ってしまったの?
私は何処へ来てしまったの
沖に打ち上げられた寄る辺ない
珊瑚の死骸
白く美しく朽ちたそれに似て
私たちは星の砂に還る

別の途辿ることは分かってた
貴方と私
寄り添えないことを知っていた
貴方には私が不要だったでしょう?
私は貴方の光をねだったけれど
かりそめの壊れやすい砂の城だと分かってた
でもそれで
幾重にも囲んで堅く閉ざして
貴方を捕らえられると思った
波にさらわれること考えずに
貴方と私
隣には立てなかった
だから
さようなら

貴方は何処へ行ってしまったの?
私は此処へ来たわ
沖に打ち上げられた寄る辺ない
珊瑚の死骸
白く美しく朽ちたそれに似て
私たちは跡形もなく星の砂に還る

私は此処へ来たわ
貴方は何処にいるの?
沖に打ち上げられた寄る辺ない
珊瑚の死骸
撫でて


遺月 2003/09/09

あの月にむけて
僕の詩を遺そう
夜の自転車こいで
懐かしい音を口ずさんで
あのたった一つの月にむけて
君への祝福を
夜の自転車こいで
泣きたくなるくらい
懐かしい空を見上げて
あの月にむけて
僕の詩を遺そう
君には届かないこの場所でないと
僕は本当の気持ちも言えないから
夜の自転車こいで
わざとはずれた音を口ずさんで
笑いながら君にありがと


Once again? 2003/08/25

去りゆく貴方に花束を
夜空に咲き散る一瞬だけの花
光の粒子が瞬いて
貴方の旅立ちを後押し
振り返って私を見る
ゆっくりと手を振って
「来年またね」
と子供みたいに微笑んで
去りゆく貴方に花束を

あぁ 儚く咲き散る夜の花
光の粉が瞬いて
短い夏が終わりを告げる
共に去りゆく貴方に
精一杯の大人の微笑み
「来年またね」
ゆっくり手を振って
貴方の旅立ちを後押し


人間宣言 2003/07/26

あたしは今から人間になります
強さと弱さを持ち
几帳面なトコロとズルさを持ち
時には羨望し
時には妬心を抱き
その醜いことに悩み
流されながらも譲れないものを持ち
諫言を時には無視し
自分の意志を貫き通すことを課す
時には後悔し
時には反省し
その情けなさに泣きながら
あなたにありがとうと言える人間に
あたしは今からなります

あたしは今から人間になります
ただ手足と脳みそを無為に使う人間だったとしても
欠陥だと言われても
あたしはあたしだと胸を張って言える
そんな人間にあたしはなります


ミチ 2003/07/21

わたしがあるいてきたきたみちは
あまりキレイではなくて
ダコウとウヨキョクセツばかりね
こわせなかったカベだって
ツタはうままのこみちだって
ミカイタクのままほうちされているわ
それでもいまはココにいるの
このカタチがわたしをつくっている
コウカイもわすれたいコトもイヤなコトも
ぜんぶぜんぶわたしをつくっている


人魚たる女の遺書 2003/07/17

もしも私が死んだなら
私の記憶も歌もこの躯も
全部海に棄ててしまって下さい。
石の墓の下
冷たい土に埋めないで
青い深い底に私を棄ててしまって下さい。
白い骨だけになった私は
きっと滑稽なものでしょう。
腕の通る肋骨の折れそうに柔い殻は
あなたに涙を与えるでしょうか。
もしも私が死んだなら
空の躯を抱きしめてお別れのキスを
それで私の全てを還して下さい。
深い青い底は震えるほど美しく
私は人魚姫のように
泡になって溶けるでしょう。
腕の通る肋骨の折れそうに柔い殻は
あなたに涙を与えるでしょうか。
それならば
忘れられても哀しくはないでしょう。
青く蒼く澄んだ底で
闇しか見えない眼窩で
いつまでも
あなたがふと思いだしてくれるまで
眠りにつくことにしましょう。


迷図 2003/07/15 00:17

整理のつかない部屋で
あたしは泣いた
お気に入りの人形抱いて
いつまでだって泣いたわ
大好きなチェリーパイだって
たくさん食べたけど
それでも子供みたいに泣いたわ
整理がつかなくて
ここはもう迷宮のようね
出口がみつからなくって
ぜんぶ吐き出してしまうわ
いつだって待ってるの
差し伸べてくれる手の大きさ
お気に入りの人形抱いて
いつまでだって
大好きなチェリーパイ
もうひとかけらだって入らないわ
あたしが食べたいのは
ママの愛情だけだもの
整理のつかない殻の中で
あたしは泣いた
泣いて泣いて泣いて
いつしか時間は
目覚めの十二時の鐘を鳴らす
整理がつかなくて
ここも、迷宮のようね
またここに来ちゃったのね
Endless抜けられない?

ううん。
きっと、いつかね。


Schizophrenia 2003/06/23

嘘でもいいから笑っていてよ
あたしはいくらでも
傷ついたままで良いの
嘘でもいいから笑っていてよ
その歪んだ口元に
そっと触れる
きっとあたしときみの見てる世界は
同じだけど違うモノ
あたしときみの『世界』の共通点は
多分この微笑み
だから嘘でもいいから笑っていてよ
この世界を壊さないで
あたしが見えてるモノが
きみにも見えてるかしら?
きみが見ている世界を
あたしは見れているかしら?
嘘でもいいから笑っていてよ
あたしときみの接点
歪んだ口元に
そっと触れる
感覚が麻痺していても
きみがいるってそう思ってる
だからねぇ、

「笑っていてよ。嘘のまま」


十字路 2003/06/16

あたしは今十字路に立った

受難の証の心臓の上で
あたしは次の路を選べずに立ちすくんだ
丸く取り囲んだ断罪の天使
あたしを指さして突きつける
無言の罪状供述
黙秘権などあたしには ナイ

あたしは今十字路に立った

今更戻ることも出来ず
前に進む事しか出来ず
逃げ道も有る
茨の道も有る
見えない道も

選べないあたしを
不完全な子供みたいに見つめる
そうだよ あたしはまだ大人じゃない
丸く取り囲んだ断罪の天使
否応なく大人で有ることを強要する
無言の罪状陳述
目隠しの包帯と拘束の手錠
拒否権などあたしには ナイ

あたしは今十字路に立った
迷わない術を
どうか教えてよ 神様


白蓮戯曲 2003/06/04

白き白き蓮の花海
青き水裂きて私は渡る
其処に光るは
誰か魂
底に光るは
誰か呪詛
白き白き腕が天仰ぐ
魚の如くにうねりいて
揺らめく様は
吐き気催す極彩色の地獄
白き白き蓮の花海
青き水裂きて私は渡る
其処に光るは
誰か眼
底に光るは
誰か牙
私の足を捕まえて
沈め沈めろこの身をば
絞めて喰ろうて腐らせろ
白蓮の柔き牢を彷徨いし
数多幽鬼と踊れ狂え
可笑しき哉
白蓮地獄
哀しき哉
白蓮戯曲


蝶ヶ丘 2003/05/20

蝶の夢を見た。
何処か見たことのある風景で、それでいて、私が全く知らない丘で。
ひらひらと舞う、幾千もの蝶の群れ。
光の残滓で、鱗粉が散った。濡れ羽色の地に、青や黄や、紫、赤の紋がてらりとした光沢を放つ。
私はそれを、必至で追いかける。
不規則な飛び方、指をすり抜ける蝶、蝶、蝶…。
一匹も捕らえることが出来なくて、私は泣いた。

違う。
捕らえられないからじゃない。蝶が、この丘から去っていくからだ。

夢の中の私に向かって、私は言った。
蝶は、この丘を去っていく。
私から離れて行く。
そんなのは嫌だった。寂しかった。切なかった。
しゃがみ込んで泣いている私。
全ていなくなったと思ったのに、まだ残っていた一匹の蝶がゆっくりと周りを飛ぶ。
別れの言葉を呟くかのように。

待ってよ…行かないで…。

無意識に手を伸ばして───私はそこで目を覚ます。


光  2003/05/19

こうして壊して
あなたが残した染みも痣も
ぜんぶぜんぶ
喚いて吐き出して
光の中で塵になってしまえ
このまま砕け散って
あなたの記憶の痕も体温も
ぜんぶぜんぶ
泣いて喘いで喉から血を吐いて
あの光で焼き尽くしてしまえ

この光が嘘じゃなかったら
このままあたしを
ぜんぶぜんぶ
喰い千切ってそのまま一部にしてしまって

ぜんぶぜんぶ
髪の一筋も血の一滴も
ぜんぶぜんぶ…


遠雷 2003/05/08

白い傘さして
君の後 歩いた
細い糸雨
食べたら少し冷たい味がした
白い靴履いて
君の後 歩いた
灰色の水鏡
割ったら少し歪んで見えた
白い服着て
君の後 歩いた
細い糸雨
泪みたいだった
白い傘たたんで雨に溶けたい

遠くで雷が鳴った

君はもう 随分前を歩いている
細い糸雨の音で
わたしは消えた

遠くで雷が鳴った


狂暴的な眠りの香り 2003/04/17

砂糖が水に溶けるように
記憶が溶けるくらいに眠っていた私に
まだ眠りを強請するのね
それは私に死ねということ?
あなたの曖昧な面影も
棘の在る愛の囁きも
『私』を明確にした声も
全て殺して無くしてしまえというのね
いつまでこうして
私はこの凶暴な眠りと闘うの?
また目覚めた時に
私がこの狂暴な眠りに抗えると言い切れるの?
砂糖が水に溶けて甘い嘘を紡ぐ
記憶が溶けて私だけの本当を見せる
あなたに焦点が合って
綺麗に見えるの
あなたが囁く愛が
棘になって私の心が血を流すの
『私』を認めて名を呼ぶの

一体どうして
この狂暴的な眠りの香りから逃れられるというの?